結婚式に招待されたとき、まず頭を悩ませるのが「ご祝儀はいくら包めばいいの?」という疑問ではないでしょうか。さらに、ご祝儀袋の選び方や書き方、受付での渡し方など、細かなマナーが多く存在します。
特に30代前後の大人世代になると、後輩や同僚はもちろん、親しい友人の結婚式ラッシュが続くこともあり、ご祝儀の相場をきちんと把握しておきたいものです。実際、ご祝儀の相場は地域や関係性によって変わりますし、金額設定を間違えると新郎新婦やそのご家族に対して失礼にあたることも。
本記事では、一般的なご祝儀の金額相場から、ご祝儀袋の扱い方、受付でのスマートな渡し方までを総合的に解説します。これを読めば、結婚式で恥をかかずに自信を持ってご祝儀を用意できるはずです。
ご祝儀は、新郎新婦への“お祝い”の気持ちを金銭という形で表すもの。出席するゲストの立場や新郎新婦との関係性を踏まえつつ、地域の相場感も考慮しながら包む金額を決めます。
・収支の観点
結婚式は、式場の利用料や料理、引き出物など、膨大な費用がかかります。ご祝儀はその費用に対する“実費負担”という意味合いも含まれますが、あくまで主役は新郎新婦。「お祝い」として贈る気持ちが最も大切です。
・会費制ウェディング
最近はカジュアルな「会費制ウェディング」を行うカップルも増えています。その場合は、事前に会費が設定されているため通常のご祝儀は不要で、会費を支払うだけでOKというケースが多め。ただし、親しい仲で特別な気持ちを伝えたいなら、会費にプラスしてお祝いの品を贈る方法もあります。
・「割り切れる数字」は避ける
日本では偶数金額や“4万円”など、縁起が悪いとされる数字(割り切れる・「死」や「苦」を連想する数字)は避ける慣習があります。どうしても偶数にせざるを得ない場合は“末広がり”を意味する8万円(多めの額)を選ぶなど、配慮すると良いでしょう。
ご祝儀の相場は、新郎新婦との関係性や自分自身の年齢・社会的立場によって変化します。また、地域差も大きいため、あくまでも目安としてとらえたうえで、細やかな調整を行うと失敗を防ぎやすくなります。
・友人や同僚
一般的には「3万円」が主流と言われています。学生や20代前半など収入が少ない場合は2万円でもマナー違反ではありませんが、先述のように「割り切れる数字」は避けたいところ。2万円を贈るなら、1万円+1万円の合計2枚より、1万円+5千円+5千円の合計2万円にするなど、細かい配慮をするケースもあります。
・上司や先輩、職場の上位関係
「3万円〜5万円」が相場とされることが多く、相手との親密度や自分自身の役職や収入レベルに応じて調整します。年齢を重ねるほど、ご祝儀の額もやや高めに設定するのが一般的です。
・親族や兄弟姉妹
結婚する側との血縁関係が近いほど、金額は高い傾向にあります。兄弟姉妹の結婚式であれば「5万円〜10万円」、それ以上の親等の場合は「3万円〜5万円」がよく聞かれる相場です。家族内で事前に相談して金額を揃えることも多いので、他の親族の意向や慣習も確認すると安心です。
ご祝儀袋の取り扱いは、金額と同じくらい重要なポイントです。袋の種類や表書きの書き方を間違えると、残念ながら相手に失礼な印象を与えてしまうこともあるので注意しましょう。
・基本は「寿」や「御結婚御祝」
ご祝儀袋には、蝶結びではなく「結び切り」の水引がついたものを選び、表書きには「寿」や「御結婚御祝」などと書きます。名前は下段にフルネームを記入し、筆ペンや毛筆を使うのが正式です。サインペンやボールペンは避けましょう。
・金額に応じた袋を選ぶ
最近はデザイン豊富なご祝儀袋が販売されていますが、包む金額とのバランスも重要です。3万円程度のご祝儀であれば数百円〜500円程度のご祝儀袋、5万円以上包むなら数百円以上のグレードの高い袋を選ぶと良いとされています。
・中袋の書き方と向き
ご祝儀袋の中には、中袋(別紙)を入れるタイプが一般的です。この中袋に金額や住所、氏名を書く欄があることも。中袋を入れる向きは表裏をきちんと合わせ、封はしないか“ふさがない”程度に控えめに折り込む程度にすると好印象です。
結婚式当日、会場に到着して最初に向かうのが受付。そしてご祝儀袋を受付担当者に渡すという流れが一般的です。ここでの立ち居振る舞いが、あなたのマナーをチェックされる最初の場面となります。
・必ずご祝儀袋はふくさに包んで
受付でいきなりご祝儀袋をむき出しのまま差し出すのはマナー違反とされています。ご祝儀袋を「ふくさ」に包んで持参し、受付テーブルの前でふくさから出して渡すのが理想的です。
・挨拶と一言を添える
受付では「本日はおめでとうございます。よろしくお願いいたします」と声をかけながら、両手でご祝儀袋を差し出します。受け取ってもらう際も、両手で丁寧に渡すよう心がけましょう。
・受付が混雑している場合
式直前は受付が混み合うことも珍しくありません。周囲を確認しながら順番を守り、あまり大きな声で私語を交わさないように気をつけるなど、ゲスト同士がお互いにスマートな行動を取ると好印象を持たれやすいです。
結婚式に参列するだけでなく、特に仲の良い友人や親族には、何か記念に残るギフトを渡したいと思うこともあるでしょう。その場合、ご祝儀+プレゼントの贈り方や選び方にはどんな注意点があるのでしょうか。
・あくまで「気持ち」でOK
ご祝儀に上乗せしてプレゼントを贈る場合、金額や品物に厳密なルールはありません。ただし、あまり高価なものを贈ると相手に気を遣わせることも。新居で使える家電や食器、オーダーメイドのアイテムなど、相手が喜びそうな実用的&記念になるものを選びましょう。
・挙式前後のタイミング
プレゼントを手渡ししたいときは、結婚式当日ではなく、挙式前に自宅へ送付したり、後日改めて渡すことが多いです。当日は新郎新婦が忙しく、持ち帰る荷物も増えてしまうため、事前または後日のタイミングを選ぶ方がスマートです。
ご祝儀の金額相場やご祝儀袋の選び方、渡し方に至るまで、結婚式にまつわるマナーは実に多岐にわたります。しかし、何より大切なのは「新郎新婦を心から祝福したい」という気持ち。相手との関係性や年齢、地域性を考慮しつつ、自分なりのベストな形で気持ちを表せば、それが一番の祝福になるはずです。
とはいえ、当日になって慌てないよう、ご祝儀袋の準備やふくさの用意は早めに済ませておくのがおすすめ。あらかじめ金額を決めておき、ご祝儀袋の表書きや中袋の書き方をチェックしておけば、受付で焦ることはありません。
ぜひ本記事を参考に、結婚式でご祝儀を渡す際のマナーと心づかいを身につけてみてください。きっと、新郎新婦だけでなく、ご家族や周囲のゲストにも喜ばれ、あなた自身も気持ちよく挙式に参加できるはずです。
何事も基本の押さえが肝心。しっかり準備して大切な日を迎え、「最高の笑顔」で新郎新婦を祝福しましょう。