結婚式は、新郎新婦にとって人生の大切な節目であり、ゲストにとっても特別な一日を共有する貴重な機会です。せっかく招待されたからには、当日の服装や行動、心遣いなどをしっかりと意識し、新郎新婦や周囲の人たちに好印象を与えたいもの。逆に、ちょっとしたマナー違反や無意識な行動が、思わぬトラブルや不愉快な思い出につながってしまうこともあります。
本記事では、結婚式当日に気をつけたい基本マナーを時系列で整理し、受付からお見送りまでを総まとめ。初めて結婚式に参加する方はもちろん、何度か参加したことがある方にとっても、改めて確認しておきたいポイントが満載です。ぜひ参考にして、当日はスムーズかつ気持ちの良い振る舞いを心がけましょう。
結婚式当日は、道路の混雑や公共交通機関の遅延など、思わぬアクシデントがつきもの。開式時間ギリギリに到着すると、受付や着席が慌ただしくなり、周囲にも迷惑をかける恐れがあります。
・時間に余裕をもって出発する
基本的には、挙式開始の30分前までに到着しておくのが理想です。余裕を持って会場に着けば、身だしなみを整えたり、受付の流れをスムーズに進められます。
・遠方会場の場合は前泊も検討
もし会場が遠い場所にある場合や、当日に大切な役割(受付係やスピーチなど)を任されている場合は、前日から現地に滞在することも一案です。しっかりと睡眠を取り、当日は万全の状態で臨みましょう。
会場に到着したら、まずは受付でご祝儀を渡すことが一般的です。ここでは、結婚式の“第一印象”を左右する場面でもあるため、細やかな気遣いと礼儀を大切にしてください。
・ご祝儀を渡すタイミング
受付担当の方が「本日はおめでとうございます」と挨拶してくださるので、それに対してこちらも「おめでとうございます。本日はよろしくお願いいたします」と一言添えてから、ご祝儀袋を両手で渡します。
・香典袋との区別
ご祝儀袋と香典袋の区別を知らずに準備してしまうと、大変失礼になります。必ず熨斗(のし)付きのご祝儀袋を用い、表書きを「寿」や「御結婚御祝」とした上で、蝶結びではなく結び切りの水引を選びましょう。
・筆ペンやサインの準備
ゲスト名簿に署名する場合も多いため、さっと書けるよう筆記用具を用意しておくと安心です。
受付を済ませたあとは、挙式が始まるまでの待ち時間をどう過ごすかがポイント。周囲のゲストやスタッフへの配慮を忘れないようにしましょう。
・新郎新婦や家族への声かけ
もし控え室などで新郎新婦やそのご家族と顔を合わせたら、「本日はおめでとうございます」「お世話になります」と簡単な挨拶を交わします。ただし、あまり長く立ち話をしないように注意しましょう。挙式準備で忙しいタイミングかもしれません。
・写真撮影のマナー
式場内やロビーなどで写真を撮るのは問題ありませんが、他のゲストが写り込むとプライバシーの問題になることも。SNSに投稿する際には、相手の許可を取るなど最低限のマナーを守りましょう。
いよいよ挙式が始まったら、神聖な空気の中で厳かなセレモニーが行われます。ここでのマナー違反は、新郎新婦や他のゲストの思い出を台無しにしてしまいかねません。
・スマートフォンの電源はオフまたはマナーモードに
着信音は厳禁です。振動音も静かな会場では気になることがあるため、完全にオフにするのが安心です。
・過度な私語や大きな動きは控える
大切な場面で私語や物音を立てると、周囲の集中を乱します。小さなお子様連れの場合は、挙式前に会場スタッフに相談しておくとスムーズです。
・写真撮影のルールを守る
式中の撮影が禁止されている場合もあります。フラッシュ撮影や席を離れての撮影は基本的にマナー違反ですので、あくまで正式な写真撮影はプロカメラマンにお任せしましょう。
挙式後に行われる披露宴は、新郎新婦とゲストが一緒に楽しむパーティーの場。和やかな雰囲気の中でも、いくつかのポイントに注意することで、よりスムーズに楽しめます。
・席次表の確認
席次表を受け取ったら、自分のテーブルをしっかり把握しましょう。間違った席に座るとトラブルの原因になります。
・乾杯前に勝手に飲まない
披露宴が始まっても、正式な乾杯の挨拶があるまではグラスに口をつけないのが基本です。ウエルカムドリンクを用意してくれる会場もありますが、スタッフや司会者の案内に従いましょう。
・料理のコースは周囲のペースを意識
あまりにも早く食べ終わったり、逆に極端に遅いペースで食事をすると、同じテーブルの人に気を遣わせてしまいます。和やかに会話をしつつ、適度なテンポで楽しむのが理想です。
・余興やスピーチにも配慮
他のゲストがスピーチや演出をしているときは、私語を控え静かに聞くのが礼儀。大切な話やパフォーマンスを見逃さないよう、注目して拍手や笑顔で盛り上げましょう。
披露宴では、テーブルを回って新郎新婦が挨拶に来てくれたり、他のゲストとの会話も弾むはず。ここでは円滑なコミュニケーションを図るためのマナーを押さえておきましょう。
・写真撮影のタイミング
新郎新婦が各テーブルを回っているときは、写真撮影のチャンスでもあります。ただし、長時間引き留めるのはNG。別のテーブルでも待っている人がいるかもしれないため、段取りよく撮影を済ませましょう。
・SNSへの投稿
披露宴中に新郎新婦と撮った写真をSNSにアップする場合、必ず本人の許可を得ることが大切です。ドレス姿や会場の内装など、式場や他のゲストのプライバシーに配慮しましょう。
・久しぶりの再会は節度を忘れずに
友人や同僚など、久しぶりに会う人も多いかもしれません。思わず話が盛り上がるのは良いことですが、会場の雰囲気を考えて、節度あるボリュームや振る舞いを心がけます。
披露宴が終わり、新郎新婦やその家族からお見送りを受けるときまで、結婚式は続きます。最後の最後まで気を抜かず、笑顔で挨拶をして気持ちよく帰りましょう。
・プチギフトの受け取り
お見送り時にはプチギフトが配られることが多いです。笑顔で「ありがとうございました、おめでとうございます」などと声をかけながら受け取りましょう。
・新郎新婦への言葉がけ
「本当に素敵な式でした」「おめでとうございます」など、感謝や祝福の気持ちを一言添えてお別れすると、二人の心にも残るはずです。
・二次会参加の場合
二次会に参加する場合は、会場への移動手段や開始時刻などを事前に確認しておきます。遅刻しないように気をつけつつ、披露宴とは違うリラックスムードを楽しみましょう。
結婚式当日は、受付からお見送りまで、ゲストが気をつけるべきマナーは多岐にわたります。しかし、どれも「新郎新婦を祝福したい」「周囲に迷惑をかけないようにしたい」という思いやりが根底にあることを忘れないでください。
身だしなみや服装、時間厳守などの基本的なルールを守りつつ、気配りや小さな挨拶を大切にするだけでも、結婚式全体の雰囲気はぐっと和やかになります。ゲストとしての心構えをしっかり持ち、晴れの舞台を全員でより素晴らしい思い出にすることが、最高の「お祝いのかたち」といえるでしょう。
当日は主役である新郎新婦をしっかり讃えつつ、周りのゲストやスタッフとも協調し、最後まで明るく過ごしてみてください。きっと、新郎新婦にも「来てくれてよかった」と心から喜んでもらえるはずです。